省エネ基準入門 - 外張断熱で下地材がある場合の熱貫流率(U値)の計算

通常外張断熱の場合、充填断熱のような柱や梁などのように断熱材を貫通する部材がないので、木材熱橋を考慮する必要はありません。
そのため、通常断熱部の熱貫流率(U値)を計算するだけで済みます。

ただし、外張断熱に下地材(木材)を使用し、断熱材が連続しない場合は、これを考慮しなければなりません。

下地材を使用する場合は、外張断熱の断熱材の熱抵抗に低減率をかけて計算します。
低減率は0.9の固定値です。

[下地材を考慮した熱抵抗] = [断熱材の熱抵抗] × 0.9

たとえば、外張断熱の断熱材が「押出法ポリスチレンフォーム断熱材 3種」とすると熱伝導率は0.028です。
厚さが75mmだとすると、断熱材の熱抵抗は、
0.075 ÷ 0.028 = 2.679

これに低減率をかけると、
2.679 × 0.9 = 2.411

外壁とすると外気側表面熱抵抗は0.040、室内側表面熱抵抗は0.110なので、熱抵抗計は、
0.040 + 2.411 + 0.110 = 2.561

熱貫流率は、
1 ÷ 2.561 = 0.39

外張断熱で下地材を使用する場合は、低減率の計算を忘れないでください。

エネボスで低減率を考慮する場合は、設計仕様の「詳細」で「外張断熱追加」ボタンをクリックし、「下地材など、断熱材を貫通する部材がある(低減率0.9)」をチェックします。

2023年01月15日|ブログのカテゴリー:省エネ基準入門