前回で熱伝導率(λ値)について解説しましたので、次はこれを使って熱抵抗(R値)の計算について説明します。
熱抵抗は材料の熱の伝わりにくさを表します。
熱抵抗はひとつの材料において、厚さに応じて両側の温度差を1℃としたときに、面積1m2の部分を通過する熱量をWで表し、この逆数が熱抵抗です。
数値が大きいほど断熱性能が高いことを表します。
熱抵抗はRという記号で表し、単位はm2K/Wです。
熱抵抗は熱貫流率(U値)を計算するときに使用します。
エネボスでは材料と厚さを設定すると熱抵抗が計算されます。
計算式
熱抵抗は以下の式で計算します。
[熱抵抗] = [厚さ] ÷ [熱伝導率]
厚さの単位はm、熱伝導率の単位はW/mKです。
計算する場合は単位を間違えないようにしてください。
この式を見ると、厚さが厚くなるほど、熱伝導率が小さくなるほど熱抵抗が大きくなることがわかります。
たとえば同じグラスウールでも厚さが50mmと100mmでは断熱性能が違いますが、熱抵抗は熱伝導率と厚さの両方を考慮することができます。
空気層の熱抵抗
空気層の熱抵抗は計算で求めません。
密閉された空気層の熱抵抗は0.09です。
密閉されていない空気層は0になり、密閉されていない空気層よりも外側の材料は考慮できなくなります。
表面熱抵抗
表面熱抵抗(表面熱伝達抵抗)には、外気側表面熱抵抗と室内側表面熱抵抗があります。
表面熱抵抗については次回解説します。