省エネ基準入門 - 内装材や合板を考慮した熱貫流率(U値)の計算例

前回面積比率法による熱貫流率(U値)の計算例についてご説明しました。
▶充填断熱の面積比率法による熱貫流率(U値)の計算例

前回は断熱材のみを考慮しましたが、今回はこれに合板内装材がある場合の計算をしてみたいと思います。

前回同様、軸組構法充填断熱で外壁の熱貫流率を計算します。
断熱材はグラスウール16Kで100mm(0.100m)とします。

合板や内装材は断熱部にも柱部にもどちらにもあります。
そのため、断熱部と柱部の両方の熱抵抗計に、合板と内装材の熱抵抗を加算します。

合板の熱抵抗

合板の厚さは12mmとし、熱伝導率は0.16です。
熱抵抗は、
0.012 ÷ 0.16 = 0.075

内装材の熱抵抗

内装材の厚さは12mmとし、熱伝導率は0.221とします。
熱抵抗は、
0.012 ÷ 0.221 = 0.054

断熱部の熱貫流率

まず、断熱部を計算します。
前回計算した熱抵抗に内装材と合板の熱抵抗を加算します。
0.040 + [0.075] + 2.222 + [0.054] + 0.110 = 2.501

熱貫流率は、
1 ÷ 2.501 = 0.400

柱部の熱貫流率

次に柱部の熱抵抗計を計算します。
0.040 + [0.075] + 0.833 + [0.054] + 0.110 = 1.112

熱貫流率は、
1 ÷ 1.112 = 0.899

面積比率による熱貫流率の計算

断熱部とは柱部の熱貫流率を面積平均すると、
(0.400 × 0.83) + (0.899 × 0.17) = 0.48

断熱材のみの場合熱貫流率は0.52でしたので、合板と内装材を考慮することで多少断熱性能が高く評価されます。

エネボスでは設計仕様の「詳細」に「合板追加」「せっこうボード追加」ボタンが用意されていて、簡単にこれらを考慮することができます。

 

2023年01月09日|ブログのカテゴリー:省エネ基準入門