前回寸法について書きました。
次は寸法を元に面積を計算します。
面積は、部位ごと、方位ごとに行います。
天井、屋根、床に方位はありません。
そのため、これらは一つの部位として扱うことができます。
(分けて計算することも可能です)
屋根は勾配が異なれば、勾配ごとに分けた方が計算しやすくなります。
屋根の面積は、水平投射面積ではなく勾配を考慮した実際の面積(実面積)になりますので注意が必要です。
方位ごとに分けるのは、外壁、窓、ドア、基礎壁です。
外壁や基礎壁は方位ごとに分けて計算します。
外壁の面積は、外壁全体から開口部(窓・ドア)の面積を引いた実面積です。
窓・ドアは大きさが異なることが多いので、通常は一つずつ計算します。
面積計算で時間がかかるのは
窓と外壁
面積の計算で手間がかかるのは通常窓と外壁です。
窓は数が多くいろいろな大きさがありますので、一つずつ計算しなければなりません。
また、外壁の面積は外壁全体から窓の面積を引いて計算しなければなりません。
そのため、計算量が多くなり手間がかかります。
屋根
屋根断熱で屋根の形状が複雑になると面積計算も複雑になります。
面積計算での注意点
同じ部位で断熱仕様が異なる場合
外壁などで断熱仕様が異なる場所がある場合は、面積を分けて計算します。
たとえば、外壁に大壁と真壁があり、大壁と真壁で断熱材の厚さが異なる場合は分けて計算します。
外壁の階間は分けるべきか
昔の省エネ基準書籍の計算例では、外壁は階ごとと階間を分けて計算していました。
これは充填断熱時に木造軸組構法の階間にある胴差を別に計算していたためです。
ただ、現在のテキストの計算例は面積比率法で計算する場合、胴差を分けて計算していません。
面積比率の中に胴差が含まれているという解釈だと思います。
おそらくこれが現在の公式見解と思われます。
そのため、外壁は階ごとに分けて計算する必要はないようです。
(もちろん階や階間に分けて計算しても問題ありません)
勾配天井
天井断熱で一部が勾配天井の場合は、小屋壁(小屋裏側の壁)を忘れないようにしましょう。
屋根
屋根断熱で屋根の構造が複雑な場合は、忘れている屋根や外壁がないか確認してください。
窓の面積が変わった場合
窓の大きさを変更したり、窓が増えたり減ったりした場合は、窓だけでなく外壁の面積も再計算が必要になります。