省エネ基準入門 - 部位分け・方位分け

前回熱的境界についてご説明しました。
次は熱的境界に沿って部位分け方位分けを行います。
省エネルギー基準(省エネ基準)では部位や方位によって、使用する係数などを変えて計算しなければなりません。

部位分け

部位は大きく分けると以下のものがあります。
・外壁
・天井(天井断熱)
・屋根(屋根断熱)
・床(床断熱)・外気に接する床(オーバーハングなど)
・土間床・基礎壁
・窓
・ドア

天井断熱の場合は、天井よりも外側の屋根はないものとして扱います。
同様に屋根断熱の場合は、天井はないものとします。

基礎断熱の場合は、土間床・基礎壁として計算します。
土間床や基礎断熱の場合、現在は二つの計算方法があります。
旧計算法では土間床と基礎を一緒に計算しますが、新計算法では土間床外周部と基礎壁を分けて計算します。

同じ部位でも断熱構造が異なる部分は分ける必要があります。
たとえば、大壁と真壁があり、断熱材の厚さが異なる場合は分けて計算します。

方位分け

平均日射熱取得率(ηAC値)を計算する場合は、部位だけでなく方位も分けなければなりません。
方位は以下の8方位に分けます。
・北
・北東
・東
・南東
・南
・南西
・西
・北西

外皮平均熱貫流率(UA値)を計算する場合方位は関係ありませんが、平均日射熱取得率を計算する場合は方位ごとに分けます。
これらの計算は一緒に行いますので計算を共通化させるため、外皮平均熱貫流率の計算時も方位ごとに分けて計算するのが一般的です。

2022年10月23日|ブログのカテゴリー:省エネ基準入門