省エネ基準入門 - 計算のための準備

省エネ基準の計算を行うための準備についてご説明します。

図面・設計図書

まず寸法を確認するために図面が必要です。
そして、各部位の断熱材の種類と厚さ窓やドアの仕様を確認できる書類を用意します。
断熱材などの材料名から熱伝導率(λ値)を調べます。
窓・ドアの仕様から熱貫流率(U値)や日射熱取得率(η値)を調べます。
これらがわからない場合は、メーカーのホームページで調べるか、メーカーの担当者に問い合わせてください。

省エネ基準のテキスト

省エネ計算では寸法を拾って面積を計算しますが、場所によって寸法の採り方が省エネ基準で決められています。
そのため、省エネ基準のテキストをご用意ください。
このテキストに寸法の採り方が書かれています。
テキストは以下のホームページからPDFファイルをダウンロードできます。
このテキストは省エネ基準全般について解説していますので、一読しておくことをお勧めいたします。https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/shoenehou.html

熱的境界

熱的境界の位置を確認します。
熱的境界とは住宅の中と外を分ける境界線で、通常は断熱材や窓・ドアが熱的境界になります。

部位分け

省エネ基準では部位によって計算式や係数が変わります。
そのため、熱的境界に沿って部位を分ける必要があります
部位は大きく分けると以下があります。
・外壁
・屋根
・天井
・床
・窓
・ドア
・土間床
・基礎断熱

たとえば、天井断熱の場合は天井が熱的境界に、屋根断熱の場合は屋根が熱的境界になります。
そのため、天井断熱の場合は天井断熱よりも上の部分(屋根の部位)はないものとして考えます。
また、屋根断熱の場合は屋根が部位になるため天井の部位はなくなります。

同じ部位でも断熱仕様が異なる場合は、断熱性能が異なるため分けておく必要があります。

方位分け

方位は8方位に分けます。
・北
・北東
・東
・南東
・南
・南西
・西
・北西

外皮平均熱貫流率(UA値)は方位は関係ありませんが、平均日射熱取得率(ηA値)は方位ごとに分けて計算しなければなりません。

 

2022年09月19日|ブログのカテゴリー:省エネ基準入門