部位の種類

熱的境界

住宅の断熱方法がわかる図面をもとに熱的境界の位置を確認します。
熱的境界とは外気と室内の温度環境を明確に区分する境界のことです。
通常は断熱材の入っている場所が熱的境界となり、外壁、屋根、天井、床などと、窓、ドア、基礎・土間床などが熱的境界となります。

天井断熱の場合は天井が、屋根断熱の場合は屋根が熱的境界になります。
床断熱の場合は床が、基礎断熱の場合は基礎が熱的境界になります。
住宅に組み込まれている車庫や物置は、通常熱的境界の外側となります。
また、風除室やサンルームも熱的境界の外側となります。

 

 


外皮の部位

外皮とは熱的境界になる外壁、 屋根、天井、床などの一般部位と、窓、ドア、基礎・土間床などの総称です。

外皮平均熱貫流率(UA値)などの計算では、部位によって計算方法が定められているため、まず部位の種類を確認する必要があります。
部位には以下のものがあります。

・外壁
・屋根(屋根断熱)
・天井(天井断熱)
・床(床断熱)・外気に接する床(オーバーハングなど)
・土間床・基礎壁
・窓
・ドア

部位を分ける場合は熱的境界に沿って行います。
そのため、熱的境界の場所によって考慮すべき部位が変わってきます。
たとえば、天井断熱の場合は、天井が熱的境界となり屋根の部位はないものとします。
また、すべてが基礎断熱の場合は、床の部位はありません。

出窓

壁面からの突出が500mm未満の出窓は突出していないものとして扱うことができます。
500mm以上の場合は、突出部を外壁、屋根、床の部位として計算しなければなりません。

土間床・基礎断熱を新計算法で行う場合

2021年4月から土間床・基礎断熱には新たな計算方法が追加されました。
(従来の計算方法は当面の間使用することができます)
新計算方法を採用する場合は、土間床・基礎断熱は、部位を基礎壁と土間床外周部に分けなければなりません。
従来の計算方法の場合は基礎断熱で天端の高さが0.4mを越える場合、越えた部分は外壁として計算します。


断熱仕様の種類

同じ部位でも断熱仕様が異なる場合は分けなければなりません。
例えば、木造軸組構法の充填断熱の住宅は、外壁の胴差部分の断熱方法が通常の外壁と異なる場合は分けて計算します。
また、大壁と真壁で断熱材の種類や厚さが変わる場合は分けて計算します。
このように断熱仕様が異なる場合は、それぞれの仕様ごとに分けておきます。