省エネ基準をクリアしない場合

入力が間違っていないか確認する

基準をクリアしない場合は、まず入力が間違っていないか確認してください。
たとえば、面積が間違っている、断熱材の厚さが間違っている、間違った窓を選択しているなどを確認してください。

ヒント

入力の間違えを確認する場合は、「検索」機能が便利です。
検索機能を使用すると入力の一覧を表示します。
そこで間違った設計仕様・材料を選択していないか、厚さや面積が間違っていないかを確認してください。

また、計算後に計算書を表示すると、部位ごとの面積、熱損失量、日射熱取得量などが確認できます。
そこで各部位の入力が間違っていないか確認してください。

外皮平均熱貫流率(UA値)をクリアしない場合

断熱性能を高くする

外皮平均熱貫流率(UA値)は住宅の断熱性能を表す数値です。
そのため、外皮平均熱貫流率をクリアしない場合は断熱性能を高くするのが基本です。
たとえば、断熱材を厚くする、断熱材の種類を変更するなどが考えられます。
「設計仕様」を選択している場合は、設計仕様で断熱材の種類や厚さを変更します。
また、新たに設計仕様を追加して、「置換」機能を使用して設計仕様を新しいものに置き換えます。

熱損失グラフを確認する

断熱性能を高くするといってもどの部位の性能を高くすればいいのでしょうか。
このような場合はで熱損失割合グラフを確認すると、どこから熱が多く逃げているのかが一目瞭然です。

グラフ

 

熱損失グラフは、「省エネルギー基準計算」後に表示されるダイアログの上側に「グラフ」ボタンがあり、これをクリックすると表示します。

どこからどのくらい熱が逃げているかは住宅によって異なります。
一般的には外壁と窓の熱損失が大きくなります。
窓の面積や熱貫流率(U値)によっては、半分以上が窓からの熱損失の場合があります。
このような場合は外壁や天井などの断熱性能を高めるよりも、窓の面積が小さくならないか、窓の性能を高くできないかを検討した方が、より効率的に断熱性能を高めることができます。

窓の面積が大きすぎないかは、グラフ内にある「開口部比率」で判断してください。
適切な開口部比率は窓の熱貫流率によって変わってきますので、普段から開口部比率を確認しておくようにしましょう。

冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)をクリアしない場合

窓の大きさを確認する

平均日射熱取得率は窓の影響が大きくなります。
そのため、まず最初に検討するのは無駄に大きな窓がないかということです。
窓が大きいとその分そこから日射が入ります。
そのため、窓の大きさが適切かを検討してください。

障子・外付きブラインドを設定し忘れてないか

窓に障子、または外付けブラインドを設置する場合は、それらの設定を忘れていないか確認してください。

日除けを検討する

南面の窓に庇などの日除けを設置すると日射を遮ることができます。
庇は寸法が短すぎるとあまり日射を遮ることができませんし、窓から離れすぎるても同様です。
また、庇の寸法は地域(緯度)によっても変わってきますので、地域にあった庇かどうかを検討する必要があります。

外壁・天井(屋根)の断熱性能を高くする

平均日射熱取得率は基本的に窓の影響が大きいのですが、その他の部位の断熱性能も若干影響します。
そのため、外壁や天井、屋根などの断熱性能が低い場合は、断熱性能を高めることで基準をクリアする可能性があります。