省エネ基準入門 - 平均日射熱取得率(ηA値)とは

省エネ基準平均日射熱取得率(ηA値)についてご説明します。
平均日射熱取得率には以下の二つがあります。

冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)
暖房期の平均日射熱取得率(ηAH値)

冷房期の平均日射熱取得率は夏の日射遮蔽性能を、暖房期の平均日射熱取得率は冬の日射取得性能を評価するためのものです。
つまり、夏は日射を住宅に入れない(遮蔽する)と省エネになり、冬は日射を住宅に入れる(取得)と省エネになりますので、それを確認するための計算です。

冷房期の平均日射熱取得率は地域ごとに基準値があります。
なお、1~4地域には基準値はありません。

地域 5 6 7 8
基準値 3.0 2.8 2.7 6.7

ちなみに暖房期の平均日射熱取得率には基準値は設けられていません。
ただ、暖房期の平均日射熱取得率は一次エネルギー消費量を計算するときに使用しますので、計算は必要です。

平均日射熱取得率は、同じような計算を係数などを変更して冷房期と暖房期の2回計算しなければいけないため時間がかかります。
また、窓の日射熱取得率を計算する方法が複雑なため計算量が多くなります。

平均日射熱取得率の簡略式は以下のようになります。

[ 平均日射熱取得率 ] = [ 各部位の日射熱取得量の合計 ] ÷ [ 外皮面積 ]

部位や外皮面積については外皮平均熱貫流率と同じです。
なお、平均日射熱取得率では部位ごとだけでなく、方位ごとに分けて計算しなければなりませんので注意が必要です。

日射取得量の簡略式は以下の通りです。

[ 日射取得量 ] = [面積] × [日射熱取得率] × [方位係数]

日射が当たらない部位は日射取得量はゼロです。
方位係数は地域と方位によって決まる係数です。
日射取得率は日射がどのくらい室内に入るかを表す数値です。
窓とその他の部位で計算方法が異なります。
日射熱取得率は計算方法が複雑なので別途解説する予定です。

平均日射熱取得率は計算が複雑な上に冷房期・暖房期を計算しなければならないため時間がかかります。
エネボスでは平均日射熱取得率は、各部位の面積、開口部の仕様、断熱材の種類と厚さなどを設定することで自動で計算されます。
また、同じ入力データで冷房期と暖房期の両方を計算することができます。

 

2022年08月30日|ブログのカテゴリー:省エネ基準入門